インドの豊かな文化遺産の中でも、特に魅力的なのが「ブロックプリント」という工芸品。
その布を使用した洋服や日用品には様々な素朴で美しいデザインがありますが、正直インドに住んだ経験があってインドが好きなわたしでも、その手法、種類やデザインの違いについては詳しく知りませんでした。
そこで、インドの伝統工芸「ブロックプリント」の歴史、手法、発祥やデザインの違いを調べてまとめてみました。
ブロックプリントの製品はインドのお土産としても最適なので、選ぶ際の参考やひとつの楽しみ、そして気付きになれば嬉しいです!
ブロックプリントとは?
そもそもインドのブロックプリントとは、木製のブロックと呼ばれる木版を、布に押し付けデザインを表現するインドの伝統的な印刷技法です。
数世紀にわたる伝統を持ち、地域ごとに異なる独自のスタイルとパターンが存在します。
手作業による繊細な作業であるため、プリントにかすれやズレなどがありますが、それがブロックプリントの独特で味わいのあるデザインを引き出します。
ブロックプリントの技法
ブロックプリントは、精密な手作業と独創的なデザインが特徴的です。
職人はまず、デザインを木のブロックに彫り込み、次にこれを布に押し付けて模様を作成します。使用される布地は通常、コットンやシルクなどの自然素材です。デザインには、自然、動物、花、幾何学模様など、多岐にわたるテーマが含まれます。
ブロックプリントが使われる製品
ブロックプリントは、サリー(インドの伝統衣装)やクルタ(インドの普段着)などの衣類に広く使用されています。スカーフやバッグなどのアクセサリーにも用いられ、日常使いから特別な行事まで、幅広いシーンで愛されています。
また、ホームデコレーションの分野でも人気があり、カーテン、クッションカバー、テーブルクロスなど、様々な家庭用品にもブロックプリントが施されています。
ブロックプリントの歴史
ブロックプリントの起源
ブロックプリントは、数千年前にインドの古代文明に端を発し、初期の文化的、宗教的な象徴として重要な役割を果たしてきました。
初期では主に社会的な地位や宗教的な意義を示すために使用されていました。
時間が経つにつれて、この技術はさらに洗練され、宗教的な意義や表現だけではなく、多様な文化的表現へと発展しました。
特にこのブロックプリントが有名な、ラジャスタン州やグジャラート州などの地域では、独自のスタイルと技法が発展しました。
現在のブロックプリントについて
ブロックプリントは、インドの文化遺産の重要な一部である一方で、現代のファッションやインテリアデザインに大きな影響を与えています。
上記写真のように、インドのボリウッド女優も式典にブロックプリントをベースとしたサリーに身を包んでいます✨
伝統技法の保存と革新的なデザインの探求によって、伝統的なアートの形を新しい世代に伝え、世界中での評価を高めています。
持続可能なファッションへの関心が高まる中、ブロックプリントはハンドプリントであり環境に優しいサスティナブルな芸術の一つでもあります。
ハンドメイドであるため、農村部の雇用維持にも役立っています。
農村部で職人によって作られ、都心部で販売されることから、ブロックプリントはそのデザインの価値以外にも、インド国内の橋渡し的存在として重要な技術なのです。
ブロックプリントの主なデザインと生産地
インドのブロックプリントは様々な地域で生産されており、デザインも豊富です。
特に、インド北西部のグジャラート州とラジャスタン州は、ブロックプリントの有名な生産地です。
ここでは主な複数のブロックプリントのパターンとルーツ、そしてその特徴をまとめました。
それぞれの画像のクリック先で、おすすめのブロックプリントブランド「fabindia」のそれぞれのデザインカテゴリー別コレクションを見ることができますので是非ご覧ください!
アジュラク(AJRAKH)|グジャラート州
アジュラクは、防染プリントという生地に糊(のり)などを付け、その部分を染色しないようにして模様をプリントする手法により、複数の色を重ね合わせて様々なパターンを生み出すブロックプリントです。
- 地域: グジャラート州カッチ地方
- 特徴: 複雑な幾何学的パターン。スラム建築のデザインのような対称的なパターンが特徴。
- 色: インディゴや深紅などの濃い色
人気のあるブロックプリント手法で、伝統的な赤、インディゴ、黒、白の色で表現されます。
fabindia「AJRAKH」紹介内容参考
ダブ(DABU)|ラジャスタン州
基本的に、インディゴなどの自然色が使用されます。衣類やインテリアなど広く愛されているブロックプリントです。
- 地域: ラジャスタン州
- 特徴: 泥を使った染色方法による独特なデザイン
- 色: インディゴなどの自然色
自然や民族からインスピレーションを得ています。初回の洗濯は色落ちするので注意してください。
fabindia「DABU」紹介内容参考
バグル(BAGRU)|ラジャスタン州
ブロックプリントの有名ブランド”fabindia”では一番多く採用されているブロックプリントです。
- 地域: ラジャスタン州ジャイプール付近バグル
- 特徴: 素朴な外観が特徴。自然染料を使用。
- 色: 主に赤と黒
自然素材によるユニークデザインのバグルは、ディープレッドの”Begar”と黒の”Syahi”というプリントで有名なブロックプリントです。鳥や動物、植物を組み合わせたものがバターン・モチーフとなっており、美しくエレガントなデザインを生み出します。
fabuindia(BAGRU)紹介内容参考
バグ(BAGH)|マディヤプラデシュ州
自然素材を使用した複雑なマディヤプラデシュ州を代表するブロックプリントです。
- 地域: マディヤプラデシュ州のバグ地区
- 特徴: 幾何学的および花柄デザイン。自然染料が使用されている。
- 色: 主に赤や黒
400年以上の歴史を持つブロックプリントです。部族アートを起源としています。
fabuindia(BAGH)紹介内容参考
カラムカリ(KALAMKARI)|アンドラプラデシュ州
繊細で華やかなデザインが印象のブロックプリントです。主に花柄など自然のモチーフが多い印象です。
- 地域 :アンドラプラデシュ州
- 特徴: 竹などの自然のペンにより表現される繊細なデザイン
- 色: インディゴ、マスタードなどのアースカラー
“Kalam”はペン、”Kari”はアートを意味した、ペンアートのカラムカリは、竹など自然のペンを使って作られます。植物、動物、人がモチーフになっています。
fabindia[Kalamkari」紹介内容参考
まとめ
職人の手作業によって今もインドで受け継がれている伝統工芸のブロックプリント。調べれば調べるほど、ひとつも被るデザインは無く、そのひとつひとつの美しさに惚れ惚れとするほどです。
どこかで手にするブロックプリントは、その時、その自分で出会たご縁のようにも思えます✨
是非、インド現地でなくとも日本でも、ブロックプリントに出会った際にはその美しさだけでなく、インドの歴史や地域の多様性にも思いをはせてみてください!
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